導入
「布団に入ってもなかなか寝付けない…」「夜中に何度も目が覚める…」「朝起きた時に疲れが取れていない…」こんな悩みを抱えていませんか?
現代人は仕事やスマホ、ストレスによって交感神経が優位になりがちで、寝る直前まで脳が活発に働いていることが多いです。その結果、深い睡眠が取れず、翌朝の目覚めがスッキリしない原因になっています。
アーユルヴェーダでは、良質な睡眠をとるためには「夜の過ごし方」が重要だと考えられています。就寝前の習慣を整えることで、自然と眠気が訪れ、朝までぐっすり眠ることができます。
今回は、アーユルヴェーダの知恵を活かしたナイトルーティンを紹介します。簡単に取り入れられる方法ばかりなので、ぜひ今日から試してみてください。
睡眠の質を高めるナイトルーティンとは?
良い睡眠を取るためには、単に「布団に入る時間を早くする」だけではなく、就寝前の行動を整えることが大切です。
アーユルヴェーダでは、「睡眠の質は夜の過ごし方で決まる」とされており、以下のポイントを意識することで、より深い眠りに入ることができると考えられています。
- 心身をリラックスさせる:寝る前に刺激を避け、リラックスできる環境を整える。
- 消化を整える:寝る前に食べすぎないことで、体のエネルギーを消化ではなく回復に向ける。
- 自然な眠気を引き出す:ハーブやオイルを使い、体と心を休息モードに切り替える。
この3つの要素を意識しながら、次の章では具体的なナイトルーティンの実践方法を紹介していきます。
ナイトルーティンの実践ステップ

ステップ1:就寝1時間前のリラックスタイム
就寝1時間前から、体と心をリラックスさせる時間を意識的に作ることが、質の高い睡眠へとつながります。アーユルヴェーダでは、夜は「カファ」の時間帯とされ、体を落ち着かせる活動を行うのが理想的です。
照明を暖色系に変更
ブルーライトは交感神経を刺激し、眠気を妨げる原因となります。寝る1時間前には、スマホやPCの使用を控え、間接照明や暖色系のライトを取り入れることで、自然な眠気を促します。
深い呼吸やストレッチを行う
深い腹式呼吸や軽いストレッチは、副交感神経を優位にし、リラックス効果を高めます。ヨガの「シャヴァーサナ」や「猫のポーズ」などの簡単な動きを取り入れると、さらに効果的です。
心を落ち着かせる音楽を流す
ヒーリングミュージックや自然の音(波の音、鳥のさえずりなど)を流すことで、脳をリラックスモードに導きます。SpotifyやYouTubeには、睡眠に適したプレイリストが多数あります。
就寝前のデジタルデトックス
スマホやタブレットの画面を見続けると、脳が活性化し、寝つきが悪くなります。可能であれば、寝る30分前にはデバイスを手放し、読書や瞑想の時間を取ることをおすすめします。
ステップ2:ハーブティーで心を落ち着かせる

寝る前に温かいハーブティーを飲むことは、心と体をリラックスさせる効果的な方法です。特に、アーユルヴェーダで推奨されるハーブには、ストレスを和らげ、睡眠の質を向上させるものが多くあります。
カモミールティー:リラックス効果抜群
カモミールは、神経を落ち着かせる作用があり、自然な眠気を誘います。お湯にティーバッグを入れて数分蒸らし、ゆっくりと飲むことでリラックスできます。
アシュワガンダティー:ストレス軽減に最適
アシュワガンダは、アダプトゲンハーブの一種で、ストレスや不安を軽減する効果があります。仕事や日常のプレッシャーで緊張しやすい人におすすめです。
トゥルシーティー:心身のバランスを整える
トゥルシー(ホーリーバジル)は、体のバランスを整え、神経を鎮める効果があります。飲むことで、深いリラックス状態に導かれます。
飲み方のポイント
- 眠る30分前に、ゆっくりと時間をかけて飲む。
- 温かいハーブティーを小さめのカップで楽しむことで、心が落ち着く。
- 甘みが欲しい場合は、はちみつを少し加えると、よりリラックス効果が高まる。
これらのハーブティーを取り入れることで、心を落ち着かせ、自然な眠気を促進できます。
ステップ3:オイルマッサージで体を緩める

オイルマッサージ(アビヤンガ)は、アーユルヴェーダにおいて心身の緊張を解きほぐし、深いリラックス状態へ導く重要な習慣です。特に、就寝前に行うことで副交感神経が優位になり、睡眠の質が向上します。
使用するオイルの選び方
アーユルヴェーダでは、体質(ドーシャ)に応じたオイル選びが推奨されています。
- ヴァータ体質(冷えやすく不安になりやすい)→ セサミオイル、アーモンドオイル
- ピッタ体質(暑がりでイライラしやすい)→ ココナッツオイル、サンダルウッドオイル
- カパ体質(むくみやすく重だるい)→ マスタードオイル、ユーカリオイル
オイルマッサージの手順
- オイルを温める:
- ボウルに適量のオイルを取り、湯煎で人肌程度に温める。
- 温かいオイルは肌に浸透しやすく、よりリラックス効果を高める。
- 全身に塗る:
- 足から始めて、太もも、お腹、腕、肩、首へと順番に塗る。
- 円を描くようにマッサージし、関節部分は特に優しくほぐす。
- 頭皮と顔もケア:
- 指の腹で軽く圧をかけながら頭皮をマッサージ。
- 額、こめかみ、耳の後ろもほぐすことで、ストレス解消効果が高まる。
- 10〜15分ほど浸透させる:
- そのままリラックスし、オイルを肌に馴染ませる。
- その後、温かいタオルで軽く拭き取るか、シャワーで流す。
この習慣を取り入れることで、体が温まり、筋肉が緩み、深い睡眠へと導かれます。
ステップ4:呼吸法と瞑想

深い呼吸と瞑想は、心を落ち着かせ、余計な思考を整理するのに役立ちます。特に、寝る前の5〜10分の実践が、質の良い眠りにつながります。
呼吸法(プラーナーヤーマ)
**ナディ・ショーダナ(片鼻呼吸法)**が特におすすめです。
手順:
- 右手の親指で右の鼻孔を塞ぎ、左の鼻から息をゆっくり吸う。
- 薬指で左の鼻孔を塞ぎ、右の鼻から息を吐く。
- 右の鼻から吸い、左の鼻から吐く。
- これを5〜10回繰り返す。
この呼吸法は、自律神経を整え、心を静める効果があります。
瞑想(マインドフルネス)
呼吸に意識を向けながら、心を落ち着かせる瞑想を行います。
手順:
- 背筋を伸ばして座り、目を閉じる。
- ゆっくりと呼吸をしながら、「吸う」「吐く」に意識を集中する。
- 雑念が浮かんでも、気にせず呼吸に戻る。
- 5〜10分間続ける。
これにより、日中のストレスを手放し、心身ともに穏やかになった状態で眠りにつくことができます。
まとめ
良質な睡眠を手に入れるためには、就寝前の過ごし方が重要です。本記事で紹介したアーユルヴェーダ式ナイトルーティン(リラックスタイム、ハーブティー、オイルマッサージ、呼吸法と瞑想)を取り入れることで、心身ともに落ち着いた状態で眠りにつくことができます。
習慣化のコツとしては、すべてを一度に取り入れようとせず、まずは1つから試すことが大切です。たとえば、「今夜はハーブティーを飲んでみる」「オイルマッサージを3分だけやってみる」など、小さな一歩から始めましょう。
日々の積み重ねが、深いリラックスと快適な眠りをもたらします。ぜひ、自分に合ったナイトルーティンを見つけてみてください。
コメント